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劇場版 天元突破グレンラガン螺巌篇
見てきた。素晴らしかった。いや、すばらしすぎると言っていい。これを見ずして何を見るんだお前は。ヱヴァ破か。それでもいい。
以下はネタバレを禁じ得ない。
まずOPの段階で早々とロージェノムを倒してしまった。ここはテレビ版何回も見ていたので柿原、ロージェノムの人の芝居が違っててちょっとがっかり。こびりつきすぎてんだよな。おれが悪いんだけど。でも「所詮ガンメンなぞこんなものかぁぁー!」「うはははは」(ラガンを殴る)あたりの芝居が大好きだったんで、下手に力入れられちゃってちょっとなー、違うんだよーという気分にも。違うも何もねえか。
素晴らしかったのはそのあと、オープニングクレジットのカミナシティが建設されていくシークエンス。ああいうの好きなんだよ。特にシモンがアニキの巨大像を彫っているシーン。既に泣ける。ていうか、アレを作ったのはシモン一人だったのか。ますます泣ける。
で、ニアの日記、プロポーズ、ムガン出現あたりまでの新規作画も実に素晴らしい。エモーショナルであり、シーンとしても美しい。3部のはしょり方も見事だった。ここはテレビ版で視点がバタつきすぎてわけわかんなくなってたからなー。投獄されたシモンとヴィラルが語るシーンとかもよかった。シモンの手にコアドリルが作られ、ヴィラルが戦慄する。螺旋の力が解放されようとする印象的なシーンだ。アークグレンラガンのバトルシーンなんかほとんどテレビのまんまだったんだけど、劇場スクリーンでも違和感を感じなかった。紅蓮篇ではテレビのカットってやっぱりレイアウトが狭かったんだけど、今回はまったくない。それもすごい。カテドラルラゼンガンのでかさも過剰でよかった。
ロシウを殴るのはキノン。ここは中田譲治とのやりとりがよかったからテレビのままでもよかったんだけど。
そしてアンチスパイラル宇宙へ。圧縮空間でのシーンが増え、シモンの苦闘も激しさを増す。キタンの特攻はテレビまま。それでも凄まじい迫力。だけどー、ここはダイグレンを守るために死んでいく大グレン団の男たちがかっこいいシーンで、彼らが死んでいくからこそキタンの決意や「俺たちゃ好きでやってんだよ!」と言うセリフが光るんだよな。まあ、それでもシモンの血反吐を吐くシーンなんかで説得力を失わないようにしていたのは見事。超銀河グレンラガンは解像度こそ上がったが、ほとんどテレビと同じ。天元突破も同様。
アンチスパイラルとの決戦。上川隆也の絶叫が素晴らしい。ここも死ぬほどテレビ版見まくってた件だから違和感はあったが、それでも素晴らしかった。ずたずたにされる天元突破。そこへ現れる天元突破軍団! これには笑った。すばらしい。これぞ劇場版だ。どうせならロージェノムも天元突破ラゼンガンを出せばよかったのに! 螺旋力のないヴィラルですら天元突破してるのにな。超天元突破まで出てきてはもう言うこともない。あれこそ大グレン団の魂だ。そしてこの過剰さこそグレンラガンといえる。
エンディングもテレビと同じ。新作はニアとヨーコのやりとり、ゾーシィたちがいる辺り、キタンの遺影を前に泣き伏す黒の兄妹。このカットよかった。キタンがよいお兄ちゃんだった(血の繋がりはないんだろうけど)本当にいい奴だったんだなあ。結婚式、やはり素晴らしいシーンだ。これ抜きでグレンラガンは語れない。出会いと別れこそ、シモンの生きてきた道なのだ。
エンディング。井戸を掘るシモンのシーンが追加。「花を植えてくれ」と言うセリフがもう、泣けるじゃないか!!
少年と親父シモンのシーンでグレンラガンを見上げるシモンのカットが解像度上がってて、ブータが出てくる前でも顔がうっすら見えるように。
あとねー、このシモンについて文句言ってる人はねぇ、なぜシモンの片眼がグルグル目(螺旋目)になってるか考えてみなさいよ!
まとめると、総集編映画としても新作カット目当てでも素晴らしい出来だった。テレビ版よりもシモンとニアの物語として突っ込まれていて、二人の感情の動きが丁寧に追われている。ラブストーリーとしても見れるなどと言う気はないが、シモンの人生、そしてニアの人生もまたよい物だったのだと感じられる素晴らしい編集だったのではないか。
お祭り的なサプライズの仕込み方もよかったし、画のクオリティ、ストーリーテリング、すべてにおいて徹底的な劇場版クオリティがなされた最高の映画だった。
ちょうさいこうでした。