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SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE - PS4

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE - PS4

  • 発売日: 2019/03/22
  • メディア: Video Game
 

 久々にブログをしたためます。なぜならSEKIROをクリアしたから。

 

購入したのは2019年の12月だろうか。そこから何度かの中断を入れて本日ようやくクリア。特段攻略に詰まって・・・とかではなくまあ単にやる気の問題とか仕事が忙しいとかそんな程度のことである。勿論、攻略そのものはサクサクとは行かなかった。非常に難しいゲームの一つであると思う。

 

まずはじめに言っておくとおれは別段フロムソフトウェアのファンというわけではない。ソウルシリーズ、ブラッドボーンはプレイしているが、神ゲーとは思っていない。しかし、SEKIROはとにかくおもしろかった。ひたすらにしんどく、辛く、厳しく、そして凄まじく楽しかった。こんなゲームはそうそうない。

 

歴史に忠実に、或いは意図的に無視して構築された美しく壮大な葦名の風景。過去に影を背負いながら、それぞれの方法で運命に抗おうともがくキャラクター。骨子はシンプルながら濃厚な背景を隠した、物悲しく情緒あるストーリー。そして恐るべき強敵たち。

全てが見事にマッチした最高のゲームと言い切ってしまおう。そのくらい素晴らしいゲームだった。おれにとっては。

 

どこかで読んだが、フロムソフトウェアゲームデザインはリスクを冒してリターンを得る、そのプロセスを重視したデザインであるという。SEKIROはその最右翼と言っていい。事細かくは説明しないが、「弾き」「体幹」という本作の戦闘システムは如何に大きなリスクに身を晒しながらリターンを得るか、の繰り返しである。果敢に前へと踏み出し、攻撃というリスクを見切ってこそ敵の体幹を削りきり、忍殺という大きなリターンを得ることができる。フロムソフトウェアがえらいのはこの弾きによるチャンバラを愚直にやらなくとも搦手で倒す方法をちゃんと用意していることだが、結局の所ラスボスはまず搦手だけでは倒せないし、愚直なチャンバラの方が敵を倒しやすい。このバランスも見事である。

チャンバラをするには敵のモーションやら予兆やらを見切って、攻撃を捌いた上でどこまで攻撃していいかのリスク・リターンを考えながら戦う必要がある。だからどんなボスでも挑戦を繰り返して慣れていくのが正攻法で、それ以外の攻略は実のところほぼない。

はー?おまえさっき搦手でも倒せる言うたやんけとお思いかもしらんけど、搦手で戦うにしてもある程度ボスの挙動というか、手を出して良いポイントや退き際を見極めなければならないし、そもそも正攻法以外通用しないボスもいる。基本である「弾き」ができないプレイヤーはいずれ積むのだ。「弾き」ができないことに対しての救済策は実のところ、ない。だからSEKIROは難しいのである。

狼はレベルも上がらないし、攻撃力も体力もボスを倒さなければ上がらない。がんばってがんばってボスに挑んで、何度も戦って慣れていく。それ以外の上達方法はないのだ。故に強敵を征した時の達成感は半端ではない。

SEKIROにはキャラクタービルドのおもしろさはないし、ステージ攻略も実際のところ自由度はほとんど無く、決まりきっている。オープンワールドふうには見せかけているものの、実態としては面クリア型のアクションゲームだ。ロックマン魔界村といったオールドスクールの硬派なアクションゲームの、最も現代的な姿である。SEKIROの面白さはそこにある、というかそこにしかないし、SEKIROが(やられて進めない以外の理由で)面白くないとしたらそういったスタイルが嫌いか、飽きているのだろう。中には簡単すぎてつまらない・・・という意見もあるのかもしれないが、十中八九イキりであると断言する。

 

個人的にSEKIROを楽しめたのはシステムもさることながら背景となる葦名の国や世界観に依るところも大きい。「国盗り」の気風が失われつつある戦国時代末期という時代背景、全編を彩る荘厳かつ怪しげな仏教美術、森に覆われた険しい山々。日本人が構築した和の風景に、甲賀三郎伝説など多くの説話をベースにしたと思われる幻想的な、しかしどこまでも日本人らしい寂びたテイストの物語。おれはしびれた。

 

難しく、そして美しい。それがSEKIROの魅力である。