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ゴジラ対ヘドラ
前々から見ようと思ってはいたのだが、なんとなく機会を逸し続けてようやく見た。おもしろかった。
中野昭慶特技監督のオーディオコメンタリで観賞。またコメンタリが面白いんだ。ことごとくの質問に「いや忘れましたね!」わはは。そら忘れるよ、30年経ってんだもん。また全然映画と関係ないゴーゴーダンスの話で盛り上がってるし。いやーいい。「キンゴジ」「ガイガン」といい、ゴジラはコメンタリーが最高。
えー、で、本編なんだけども、いや、スゲー面白いんだ。面白いんだけど、これは怪獣映画というより、悪夢映画であり、ホラー映画であると思う。
40年前近くの映画なのでネタバレなんか関係ねえという感じでいきなりラストについて語るけどもね、ヘドラが滅び、ゴジラは怒りの目を人類に向け去っていく。男性コーラスで流れるちょう怖い「かえせ!太陽を」そして「もういっぴき?」というテロップに続き、水上からこちらをねめつけるヘドラの眼差しで映画はぶっつりと終わる。どう考えてもJホラーの終わり方。怖すぎる。だいたい中野監督はやたらと「私も坂野(義光)監督も徹底して子供の目を意識した」といってるワリに死の描写が容赦なさ過ぎるんだよ! 硫酸ミストで白骨化しちゃうのもそうだが、ゴジラとの戦いに巻き込まれてヘドロを喰らって死ぬ麻雀やってるおじさんたちとか、鉄骨の上から落ちちゃうおじさんとか! 怖い。柴俊夫があっけなく死んじゃうあたりも怖い。そういえば主人公の少年もどう考えてもイッちゃってて怖い。ゴジラを幻視してるし。なんでアイツはあんなにゴジラが好きなんだよ。腐った魚の群れも泥に埋められた赤ちゃんも何もかもが怖い。もうヘドラなんて逆にかわいいよ! ゴジラの戦い方も実にバイオレンス。ヘドラの死骸をかき回すシーンなんて最高だよ。
しかし、幾多の突っ込み所(100人ゴーゴーとか)を廃し、ATGチックな映像テイストやヘドラの不気味さを再現し、ゴジラ抜きの「ヘドラ」としてリメイクしてみるのも面白いんじゃないかしらとか思った。でも、公害が超酷かったころの70年代だから成立した怪獣であって、現代ではむしろ今日的ではないかもしれん。今はぜんぜんいいものね。
そしてヘドラのデザインは実にすばらしい。おぞましく、不気味で、シュールで、ポップでさえある。怪獣もいろいろあるけども、デザインとしての秀逸さはトップクラスなんじゃないか。
あと、劇中でちょこちょこ挿入される手書きテイスト(テイストもクソも手書きに決まってんだが)のアニメーションも最高にいい。アニメファンは要チェック。