うにだいすき

日本有数の糞ブログ

ウルトラマンサーガ
誰がなんと言おうと傑作。
おれは泣いたし、おれの隣に座っていた女性二人組の片方も終始鼻をすすっていた。で、だ。ゼロの言うセリフでなぜ人間を守るのかと聞かれて「理由なんかねえよ。ずっと昔からそうやってきた。ただそれだけのことだ!」てのがありますね。これがわりと槍玉にあげられているようで。バーカ!なんもわかってねえ。それでいいんだよ。それがウルトラマンじゃん。理由なんかない、それだけのこと。ウルトラマンにとって人間を助ける、弱いものを助けるというのはそういうことなんだよ。例えばですね、ハヤタ隊員にしろ、モロボシダンのモデルになった薩摩次郎にしろ、郷秀樹にしろ、ウルトラマンたちは皆、利他的な行動を取った人々の勇気に心を動かされ、人間を守るわけですよ。つまり、ウルトラマンの行動というものはそもそも利他的なものなわけ。ゼロだってタケルを助けたタイガに感動したって言ってるじゃん。彼らにとって戦うとはそういうことなんだよ。そこに大仰な御題目も、着飾った言葉も、理由すら必要ない。それは当然のことなんだ。だから「理由なんかない」 そして、ゼロにとっては今、危機に晒され、恐怖に喘ぐ人々を救う。それは「ずっと昔から」彼の父(セブン)師(レオ)といった先達たちが「そうしてきた」その道を受け継いだ、そういうことだろ。そしてウルトラマンには「それだけのこと」で、それ以上は必要ない。ゼロが言うからなんかぶっきらぼうに感じてしまうのかもしれないが、あのどっちかというと傍若無人なゼロが言うからこそいいんだと思うけど。まあ、そういうことなんすよ。タイガが「ウルトラマン助けて!」と叫ぶシーン(ここでボロボロ泣いてしまった)から「今はおまえがウルトラマンなんだ!」「これが本当の俺さ!」そしてタイガが決意しゼロアイを装着する…。この流れがあってあのセリフがある。「誰かを助けるのに理由がいるかい?」っていうじゃないよ。辛い現実があって、うちのめされている人がいれば手を差しのべるのに理由はいらない。それが人間なんだと。そして、ウルトラマンはその手が人よりもちょっと大きいだけなんだと。それもあってアンナとアスカの「信じて」「信じてるよ。ずっと前から」のやり取りも非常にいい。人の善意、それを信じるのもまたウルトラマンなのだから。
…自分でも引くくらい臭いことを書いてしまったが、この映画はそういう映画だったんじゃないですか。なにより、タイガ、タケル、アンナといったキャラクターたちの成長をビシッと描いていたのも素晴らしいと思うし、バット星人の悪辣さをこれでもか描くあたりも非常に胸糞悪くていい(?) バット星人に関してもやれ小物っぽいとかスケールが小さいという批判があるけど、たしかにやってることは女子供を怖がらせてるだけだけど、そこが余計悪いじゃん。工場が爆撃されるシーンとか見てらんなかった。ハイパーゼットンも超強いし。ゼロが負けるって初めてだしな。その上でサーガになってもただサーガが圧倒し続けるんじゃなくて、一捻りあったのも良かった。
なんかちょっとツッコミとかダメな所とか挙げてバランスを取ろうと思ってたんだけど、そんな気になれないくらい好きな映画になってしまった。おれの中ではウルトラ映画、いや、スーパーヒーロー映画で最も好きな映画になったと思う。
ラストカットも東北出身者としては涙を禁じ得ないし。BD出たら買います。