うにだいすき

日本有数の糞ブログ

最近満喫でよく漫画を読んだので、感想的な。

近親相姦と猟奇趣味をミキサーにかけてそのままぶちまけた怪作。はっきりいってストーリーはあってなきがごとしなので、短い巻数なのはいいのだが、まとまってるかというとそうでもない。後付要素が特に効果的でもないし、ピューパという生物そのものの設定もさして魅力的ではないし、お兄ちゃんと親父の関係性が父性というよりはBLめいてて、微妙に対決するべき人物にならないから、お兄ちゃんの葛藤のドラマが物語に影響しない。黒幕というべきマリアの行動が突拍子もないだけでお兄ちゃんと妹の外敵にもなりえず、物語を終わらせるだけのデウスエクスマキナにしかなっていない。これはユウも同じ。伊万里医神会なんてお兄ちゃんのグロシーン描きたかっただけだろ。近親相姦をカニバリズムというメタファーというにはダイレクトすぎる置換えに持っていったのはアイデア、というより作者の性癖なんだろうけど、周りを固める設定や人物が余計すぎてノイズなんだよな。中途半端にお話を語ろうとせず、兄妹の閉じた世界で完結させたほうが良かったんじゃないですかね。

信長協奏曲 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

信長協奏曲 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

一時期の三国志並みに飽和状態と化してきた信長モノであるが、本作は信長が現代の少年と入れ替わるとアイデアで一線を画する…ようにみえて、別に大差ない気がすんだよなコレ。そもそも現代の少年、という設定が読者目線以上のものになっていない。現代的な発想で政治を変える、とか戦に勝つ、というわけでなくて、そもそも戦はなんとなく始まってなんとなく勝ったり負けたりする。戦国モノ的なカタルシスは本作にはない。どちらかといえば信長=サブローとバカな家臣団のやりとりであるとか、明智光秀や秀吉のようなキャラクターがどうなっていくか、彼らの心情がどう史実に影響していくのかとか、全体に漂うゆるい空気を楽しむ漫画である。なので実際のところ、サブロー自身は添え物である。彼は恐ろしいほど超然としていて、葛藤は存在しない。物語そのものもサブローの視点ではなく俯瞰気味なので彼が何を思って行動しているのかはよくわからない。そういう超人的な主人公はそれでいいんだけど、それと現代の少年って設定、噛み合ってなくね?と思わざるをえない。それとも作者が現代っ子ってこういうもんだって思ってんのかな。さとり世代ハンパねえ。

マガジンでやってる女の子がかわいいワンピース。ただ、ルフィと違い、ナツには明確な目的がない。とりあえず「イグニールを探す」という目的はあるが、ルフィの「海賊王になる=ワンピースを探す」に比べるとそれは物語そのものとは関係がないのだ。ドラゴンの消失は謎ではあるがストーリーの柱ではない。恐らく物語の最終的な到達点はゼレフとの決戦なのだろうし、それと滅竜魔導士たちが関係するのだろう。ただ、それは物語の始まりとともに語られたものではないから、ひどく散文的に感じてしまうのだ。RPGだったらプレイ時間20時間位でいきなり魔王が出てきたような。あーそうなの?みたいな。まあこの散文的なエピソードの積み重ねというのも週刊少年漫画らしくはあるよねという感じだが、本作のばやい、ソレが長すぎんだよ。だから40巻くらい一気読みするとものすごい疲れる。まあしかし女の子がかわいいワンピースだけあって女性キャラクターは魅力的である。特にエルザが最強キャラの一人としても君臨しているというのは尾田っちとの明確な作家性の違いであろう。単純にジャンプとマガジンの差と言ってもいいかもしれないけど、多分尾田っちはマガジンで描いてもニコ・ロビンを最強にはしない。

87CLOCKERS 1 (ヤングジャンプコミックス)

87CLOCKERS 1 (ヤングジャンプコミックス)

のだめカンタービレ」の千秋さまにのだめが心酔するほどの魅力が感じられなくて読むのをやめてしまったが、本作もそんな感じ。とにかくヒロインのハナちゃんがまったく魅力的に見えないんで奏くんに感情移入がしにくいのだ。一方でハナが関わらないジュリアとのアキバ大会はすごく面白いし、ミケのOC配信を手伝うくだりなんかも面白いのである。女(あるいは男)が動機となる作品はやはりその人物が動機にふさわしいと思えるほど魅力的であるべきだと思うんだが、そういやスラムダンクのハルコさんは別にそこまででもなかったよな。スポーツ漫画のヒロインはいつの間にか蚊帳の外に置かれるのがフツーだが、奏くんはずっとハナ>OCなので。

原作はたしか読んでるはずだけど、どこまで読んでいたやら。それはさておき面白い。まさに骨太というべき荒川弘のアクションが久々に堪能出来るだけでなく、上達ぶりまでつぶさに見えるのである。ルシタニアの少年がアルスラーンを抱えて逃げるくだりの空間描写は圧巻。ダリューンの奮闘ぶりの凄まじさといったらない。とにかく「筋肉の量が多いほうが勝つ」と言わんばかりの説得力。これぞ中世ものの戦闘である。あと、本作のナルサスは塩沢さんというよりミキシンっぽい。3巻にはファランギースとか出てくるんかな。

HGUC 1/144 MSZ-006A1 ゼータプラス (ユニコーンVer.) (機動戦士ガンダムUC)

HGUC 1/144 MSZ-006A1 ゼータプラス (ユニコーンVer.) (機動戦士ガンダムUC)

買ってきた途端に回収とかなんなの。マジなんなの。めんどくせえから交換なんかしねーよ! 多分改修品が出回るまで組まないし!